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Googleが導入した量子コンピューターとは?最新情報 [量子コンピューター]

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Googleが導入した量子コンピューターとは?わかりやすく説明!
納品したD-Wave社とは一体どんな企業?


DWave_128chip.jpg


夢のコンピューター「量子コンピューター」。

様々なSF作品などでよく見る所謂”未来技術”ですが、
そんな量子コンピューターをなんとあのGoogleが導入したと
大きな話題になっています。

量子コンピューターとはなんなのでしょうか?
そしてどんなコンピューターになるのか、それについて調べてみました。

Googleが導入した量子コンピューターとは?



量子コンピューターとは、

一言で言えば今現在使われているコンピューターよりも 遥かに速い速度で計算できる新しい概念のコンピューターのこと。

但し、コンピューター(CPU)のため現在と出来ることは変わりません。

imege2.jpg


量子コンピューターは今までのコンピューターで考えると、
コンピューターの中でCPUの部分に関する新しい技術です。

ただ、新しいといえど概念そのものは遥か昔からあり、
その概念が誕生したのは1980年。

しかし、実用化は難しく、開発は難航。
そして2011年にカナダの企業D-Wave Systemsが
世界で初めて実用化に成功と発表しました。

Googleも同社が作成した量子コンピュータ「D-Wave」を導入しました。


しかし、D-Waveが発表した量子コンピューターのシステムは
学会で正当なものだと言われていた形式とは違っていたため
発表当初はこれが本当に量子コンピューターであるのか議論が行われました。

多くの学者による検証の結果と実力の性能により
量子効果を利用した量子コンピューターであると認められています。


NECなど多くの日本企業・海外企業も研究していますが、
学会で主流の方法では現在でもどの企業も成功していません。

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量子コンピューターの能力とは?



d-wave_exterior.jpg


量子コンピュータは十分に実用的なレベルで開発がされれば
現在使われているコンピューターがおもちゃになるほどの
圧倒的な計算速度だと言われています。


具体的に2013年にD-Waveについての論文の中で計算では

通常のCPU・1コアの3600~1万倍程度

だという結果が出ていました。
(参考:史上初の商業用量子コンピューター D-Wave - NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん


並列計算が得意であるという量子コンピューターの特性から
現在使われている様々な暗号・パスワードなども
一瞬に解析できるような計算能力があると言われている代物です。

一般にも浸透するようになってきた場合、
急速に量子コンピューターでも解析できない暗号の設計が必要になります。

その他にも現在の性能では難しい
より正確な気象予測や流体予想・航空開発などの利用が期待できます。


また、量子コンピューターは性能の進歩が目覚しく、
2011年に発売されたD-Waveの128量子ビットから
2012年D-Wave2は512量子ビットと4倍になっています。

理論上、性能は1年で2倍向上できると言われており、
旧世代コンピューターの性能の進歩を予測した
ムーアの法則を上回るということを予測しています。

これからどんどん早くなるだろうということが予測されているのですね。

D-Wave Systems社とは?



20110505190009.jpg


そんな量子コンピューターのD-Waveシリーズを作ったのが
カナダにあるD-Wave Systems社です。

量子コンピューターD-Waveは2011年に発表。
現在の最新モデルはD-Wave2をリリースしています。

顧客は企業が対象。

航空機・兵器製造で有名な米ロッキード・マーチン社が購入。
研究を提携している南カリフォルニア大学(USC)に設置しています。
また、NASAとGoogleを中心とする研究チームも2013年に購入しています。

量子コンピューターに対するネットの反応



この量子コンピューターに対して
ネット上では大きな反応を見せています。












圧倒的処理速度を持っており
宇宙開発・気象予測など多くの用途が期待されている
量子コンピューターそしてD-Wave。

これからどんどん進歩していくことを期待して行きたいですね。

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実用化の量子コンピューター グーグルに導入 現地の報道翻訳(SCIENTIFIC AMERICAN 5月17日)
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実用化の量子コンピューター グーグルに導入 現地の報道翻訳(SCIENTIFIC AMERICAN 5月17日) [量子コンピューター]

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Googleに導入された量子コンピューターとは?
量子コンピューターに関する海外のニュースはどう報じているのか?


19gxzz8olovu2jpg.jpg


夢の技術である量子コンピューター。
日本経済新聞が掲載した記事をきっかけに
Googleが購入したということが日本でも話題になっていますね。

しかし、実は購入自体の話は昨年からあったとか。
Google社に導入されたという現地報道を調べてきました。
今回はSCIENTIFIC AMERICAN 2013年5月17日の記事を翻訳してみました。

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現地の報道ではどう言われているのか。



アメリカの科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」で
2013年5月17日にGoogle社がD-Wave2を導入したと報道していました。

以下はその翻訳です▼

GoogleとNASA 量子コンピューター「D-Wave2」に飛びつく
- この機械がエージェントシステムと人工知能の問題についての助けになるのか

世界で唯一商用量子コンピューターを販売している中小企業のD-Wave社が強力な新顧客を手にした。 それはGoogle、NASA、そして非営利団体の大学宇宙開発研究協会間の共同研究チームである。

この3つの機関はこの共同研究で立ち上げた施設に同企業の最新モデルであるD-Wave2を共同で導入した。その施設とはカリフォルニア・モフェットフィールドのNASAアメスリサーチセンターにある量子人工知能研究所である。 この研究所は機械学習のような分野について研究を行っていく―――(具体的には)導入されたコンピューターは前の研究に基づいてデータの整理と解析をしていく。 これは言語翻訳や画像検索、そして音声入力認識のような機能について有効である。 「私たちは実際に量子計算機が物理法則の知識の下、最も創造的な問題解決プロセスを提供してくれるだろうと考えている」とGoogle社の広報がブログで発表していた。

このGoogle主導の共同研究チームはなんとカナダ・バーナビーに拠点を置くD-Wave社からコンピューターを購入した2番目の顧客だ。最初の顧客はマリーランド州ベセスダに拠点を置いている航空機大手ロッキード・マーチン社である。ロッキード社はD-Wave社の量子コンピューターを2011年に購入し、ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学(USC)の新しく設立した量子コンピューターセンターに導入した。

この2つの量子コンピューター施設―――USCとアメスの施設―――は外部の研究者からのアクセスについて、計算時間がなんと20%減少している。 USCの量子コンピューター施設管理人であるダニエル・ライダー氏によると「私たちが受け取っていた第三者からの通信リスエストから判断すれば、要求に対して余裕があると言えるでしょう。つまり、おそらくはこれ以上対応することができると思われます」と発言していた。 また、現在までは、未解決の問題を解決するよりも、量子コンピューターの可能な用途を探るために、そしてどのようにコンピューターが振る舞うのか調査するために人々はコンピューターのシステムをほとんど限界まで使っていた。

●新型モデル

D-Waveコンピューターは今までのコンピューターではない。なぜならばこれは量子ビット(Qubit)を利用しているからだ。このQubitはオンとオフ2つの位相の間に同時に存在している。これが計算のスピードアップを実現している。また、もうひとつの理由としてコンピューターにおける一般的な「ゲート」によって制御されていないということである。そのため量子ゲートがこれらの量子ビットを制御するのに使われている。 その代わり、これは「断熱的な」コンピューターである。どういうことかというと、結果を見つけるためにこの量子ビットの基底状態を読み込むようになっているのである。学会ではこのゲートモデルを支持しています。これはこれに続く発展が見込まれる理論を持っている。 しかし断熱モデルは非常に簡単に作ることができることが消滅されており、それがD-Wave社にそのプロセッサ容量を毎年2倍にさせている。 その証拠にこのD-Wave2は512量子ビットである。


原文はこちら▼

D-Wave, the small company that sells the world’s only commercial quantum computer, has just bagged an impressive new customer: a collaboration between Google, NASA and the non-profit Universities Space Research Association.

The three organizations have joined forces to install a D-Wave Two, the computer company's latest model, in a facility launched by the collaboration — the Quantum Artificial Intelligence Lab at NASA's Ames Research Center in Moffett Field, California. The lab will explore areas such as machine learning — making computers sort and analyse data on the basis of previous experience. This is useful for functions such as language translation, image searches and voice-command recognition. “We actually think quantum machine learning may provide the most creative problem-solving process under the known laws of physics,” says a blog post from Google describing the deal.

The Google-led collaboration is only the second customer to buy computer from D-Wave, which is based in Burnaby, Canada. Aerospace giant Lockheed Martin, headquartered in Bethesda, Maryland, was the first. Lockheed purchased a D-Wave quantum computer in 2011 and installed it in a new Quantum Computation Center at the University of Southern California (USC) in Los Angeles. D-Wave declines to disclose the price of their computers.

Both quantum-computing centres — the one at USC and the one at Ames — have reserved 20% of their computer time for access by outside researchers. “Judging by the third-party requests we've had, I'd say there should be plenty of demand — probably more than can be accommodated,” says Daniel Lidar, director of the USC centre. So far, people have mostly used these machines to explore possible applications of quantum computing and to investigate how the computer behaves, rather than to solve previously unanswered problems.

Alternative model
The D-Wave computer is unusual because it uses quantum bits (qubits) — bits that can exist in two states, on and off, simultaneously — to speed up calculations, and because it does not operate on the normal 'gate' model of computing, whereby logic gates are used to manipulate those bits. Instead, it is an 'adiabatic' computer, which reads out the ground state of its qubits to find a solution. The academic community has favoured the gate model, which has a better-developed theory behind it. But the adiabatic model has proven much easier to build, allowing D-Wave to double its processor size every year. The D-Wave Two has 512 qubits.


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