【動画】3Dプリンターで製造できる銃の問題点は?実用性はどの程度なのか [●ニュース]
最近流行りの3Dプリンター。
実際に安いものであれば6万円程度で販売されている
既に日常に出回っている技術の一つです。
そんな3Dプリンターで製造した銃で逮捕者が出てしまいました。
しかし、3Dプリンターによる印刷ってそこまで強度がないイメージなのですが、この銃はそんなに危険なものなのでしょうか?
調べてみました。
日本での摘発の経緯
日本で製造されたのは「リベレーター」という銃。
3Dプリンターで印刷できるようになっており、
実際に弾丸を発射することができると言われています。
既に逮捕された人の動画は消されてしまっていますが、
おそらくニコニコ動画に投稿していた人のようです。
実際に印刷し、使ってしまった動画を出していたようです。
それを見た警察が4月、その男性宅を家宅捜索し、5丁を押収。
神奈川県警科学捜査研究所で調査した結果、
実際に弾丸を発射できることが判明し、銃刀法違反で逮捕されました。
3Dプリンター銃で摘発されたのは国内初です。
3Dプリンター銃「リベレーター」とは
3Dプリンター銃「リベレーター」はアメリカが初出。
リベレーターの設計図と3Dプリンターがあれば
オンデマンドでどこでも作ることが可能なプラスチック銃です。
強度はプラスチックのため何度も使うことはできませんが、
ヨーロッパの警察の多くが採用する「.380ACP弾」を発射できます。
強度が低いので直ぐに使い物にならなくなる可能性が高そうです。
リベレーターの開発者、コーディー・ウィルソン氏が製作し、
Wikiなどの共有ツールを使い全世界に流通することになりました。
コーディー氏がリベレーターを開発したきっかけを次のように語っています。
1年ほど前、友人と長電話しているときに思いついた。3Dプリンターについても、銃についても特に詳しかったわけではない。3Dプリンターで作れる銃を 設計し、それをネットで公開したら、どうなるか。技術が進歩し、誰でもオンデマンドで銃を手に入れられるようになったら、社会はどう変わるか。それを確かめるために立ち上げた
米で波紋、「3Dプリンター銃」開発者に聞く
2013年5月の時点では世界100ヶ国以上80万ダウンロードを記録するなど
世界中でかなりの反響を呼んでいますが、
リベレーターの設計図をダウンロードし製造した人間が小学校で銃乱射事件を引き起こしてから設計図のダウンロードはできなくなっています。
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リベレーターの問題点
コーディー・ウィルソン氏が「社会実験」として立ち上げたこのプロジェクト。
銃が規制されている地域でも容易に作れることから、
世界中により銃を流通させることになりました。
その結果、2013年には米ワイヤードが「世界で最も危険な15人」に選出され、シリアのアサド大統領と肩を並べるほど影響力があると言われることになりました。
しかし、そもそもこのリベレーターは何が問題点なのでしょうか?
●実弾を発射できる
実際に.380ACP弾の発射が可能。
日本でも許可さえ取れば実弾を手に入れることができるとされている。
●容易に制作できる
設計図と3Dプリンター及びインクがあれば制作ができる。
設計図はインターネット上のあらゆるところに拡散されている
●金属探知機に引っかからない
ほぼ100%プラスティックで製造できるため、
テロリストが容易に作り、持ち込むことができる。
●銃規制ができない
容易に制作できる上、材料が規制できないため製造を摘発できない。
しかも、実際にアメリカ・コネチカット州では小学校でのリベレーター銃の
乱射事件があり、多くの学生が射殺されてしまっています。
銃社会アメリカでも銃を持てない人間すら銃を持てるようになってしまっているのです。
日本でも危険なのか
リベレーターに対して各国が規制に乗り出しています。
オーストラリアを初めヨーロッパ各国。
特に銃が世の中に出回っているアメリカでも規制される法案が審議されるほどです。
日本では実弾が手に入らないですが、危険なのでしょうか。
実弾さえあれば、殺傷能力は確かにあるでしょう。
しかし、学生や気違いが買えるほど実弾も簡単に手に入れることはできません。花火の火薬で作れるほど簡単なものでもないと思われます。
従って、仮にリベレーター本体が出回っていても、
実弾がないあいだは大丈夫なのではないでしょうか。
勿論、実弾を3Dプリンターで印刷するわけにもいかないでしょうし、
現実問題としてプラスチックの構成しかできない3Dプリンターでは
火薬に耐えられる弾丸も、火薬本体も生成とかできない訳です。
金属印刷型3Dプリンターの可能性
現実に金属を印刷する3Dプリンターもあり、これを使えば金属のリベレーターを作ることができます。
こちらはSolid Conceptsという企業が作成した3Dプリンター銃。
実際に発射することができるようです。
これが実際に運用されれば本物の銃が流通できるのでしょうか?
でも、実はそうではありません。
確かに、プラスチック銃よりはマシなものが出来るかもしれませんが、
実は金属というのは様々な加工工程を得ることで強度を高めるもの。
キヤノン製金属3DプリンターPROXシリーズ。
3Dプリンターは例えばレゴのように上に金属を積み重ね焼き固めて整形しますが、
この場合金属の密度が小さく、脆くなるわけです。
これでは縦を中心に全体のつながりが低く、強度が足りないと思われます。
実際、動画の銃も何度も使うことができないわけです。
要は、実際には強度的に実用的な銃が作れるわけではないようですね。
とはいえ、プラスチックリベレーターよりも回数撃てるでしょうし、
大量に作ればそれでも十分な驚異です。
将来的には十分な強度がみたせる3Dプリンターも作れる可能性もありますしね。
現在の金属3Dプリンター数千万円しますので、
金額があまりにも高価過ぎて誰も手を出せないと思いますが、
将来的にはほおっておくとますます社会が不安定になりそうですね。
摘発は見せしめなのか
ということで、リベレーター本体を作っていたとして、
実際に実弾がなければ使いようのないリベレーター。
今回の摘発はリベレーターユーザーに対しての見せしめのような気がします。
確かに火薬・実弾がなければ使い物にはなりません。
しかし、逆に考えれば何らかの方法で実弾さえ手に入れてしまえば、実際に発砲することもできるわけです。
その迫った危険に対して警察は「見せしめ」として今回摘発に至ったのではないでしょうか。
最も、一度世界に出回ったものが簡単になくなるわけもなく、
これからも第二第三のリベレーターの設計図が出来ることになるかもしれません。
それでも、いつか突然悲惨な事件が起きたりしないよう、
できる限り国は規制していってくれることを祈るばかりです。
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タグ:3dプリンター 銃 問題
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